■ 接続詞の性質
接続詞……前後の文節や文をつなぐ単語。
活用がない自立語で、つねに単独で接続語になる。
(例) 黒または青のペンを使用してください。
(例) がんばって勉強した。だから、成績が伸びた。
■ 接続詞の種類
接続詞には、次のような種類がある。
① 順接……前の事柄を原因・理由として、その順当な結果・結論をあとに続ける。「それで・だから・したがって」など。
(例) たくさん食べた。だから、お腹がいっぱいだ。
② 逆接……前の事柄に対して順当でない事柄をあとに続ける。「しかし・ところが・けれども」など。
(例) 誰かを呼んだ。しかし、返事がなかった。
③ 累加・並立……前の事柄にあとの事柄を付け加えたり、対等に並べたりする。「そして・それから・また・および」など。
(例) 郵便局に寄って、それから、買い物に行こう。
(例) 国語および数学の試験があります。
④ 説明・補足……前の事柄について説明を加えたり、内容を補ったりする。「つまり・なぜなら・ただし・もっとも」など。
(例) 明日は12月25日、つまり、クリスマスだ。
(例) 本を借りることができる。ただし、3冊までだ。
⑤ 対比・選択……前後の事柄を比べたり、どちらかを選んだりする。「それとも・あるいは・または・もしくは」など。
(例) おにぎりが好きですか。それとも、パンが好きですか。
(例) 電話またはメールで連絡してください。
⑥ 転換……話題を変える。「さて・ところで・では」など。
(例) ここは読み終わった。では、次に進もう。
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次の例文を見てください。
黒 または 青の ペンを使用してください。
ここの料理は、安くて 、しかも 、おいしい 。
最初の例文の「黒」と「青の」という二つの文節は、「または」という単語をはさんでつながり、ともに「ペンを」という文節を修飾しています。
また、次の例文の「安くて」と「おいしい」という二つの文節は、「しかも」という単語をはさんでつながり、ともに文の述語になっています。
次の例も見てみましょう。
がんばって勉強した 。だから 、成績が伸びた 。
この例には前後二つの文があり、その間に「だから」という単語をはさんでいます。
この「だから」という単語があることによって、前の文の内容があとの文の内容の理由であることが表されています。その意味で前後の文がつながっています。
上の例の「または」「しかも」「だから」のように、前後の文節や文をつなぐ単語を接続詞といいます。
「または」「しかも」のように文節と文節とをつなぐ場合、接続詞はそれらの文節の間に来ます。
「だから」のように文と文とをつなぐ場合は、接続詞はあとの文のはじめに来るのがふつうです。
*
接続詞は、自立語です。つまり、単独で文節をつくることができる単語です。
そして、接続詞は、付属語をともなって文節をつくることはなく、つねに単独で接続語になります。
また、接続詞は、活用がない単語です。
つまり、文中での用法(文がそこで切れるか続くか、どんな語がそのあとに続くか)によって単語の形が変化することはありません。
(自立語・付属語については「単語の分類(1)自立語と付属語」のページを、活用については「単語の分類(2)単語の活用」のページを、接続語については「文節の働き(3)接続語・独立語」のページをそれぞれ参照してください。)
接続語は、文節や文をつなぐ働きをする文節です。
接続詞であれば、つねに接続語になります。
しかし、接続語は、かならずしも接続詞からなるとはかぎりません。用言や体言に接続助詞が付いた文節も接続語になります。
・ お腹がすいた。それで 、弁当を食べた。(接続詞)
・ お腹が すいた ので 、弁当を食べた。(接続助詞)
(接続助詞については、「接続助詞の働き」のページを参照してください。)
接続詞は前後の文や文節をつなぐ働きをしますが、どのような関係でつながるかは接続詞の表す意味によってちがってきます。
接続詞は、その意味によっていくつかの種類に分けることができます。
(1) 順接
前の事柄を原因・理由として、その順当な(予想される)結果・結論をあとに続けることです。「それで・だから・したがって」など。
たくさん食べた。だから 、お腹がいっぱいだ。(原因→結果)
その道具は一つしかない。したがって 、大事に扱いなさい。(理由→結論)
(2) 逆接
前の事柄に対して順当でない(予想に反する)事柄をあとに続けることです。「しかし・ところが・けれども」など。
誰かを呼んだ。しかし 、返事がなかった。
たくさん練習した。けれども 、試合に負けてしまった。
(3) 累加・並立
前の事柄にあとの事柄を付け加えたり、対等に並べたりすることです。「そして・それから・また・および」など。
友達とけんかをした。そして 、仲直りした。
郵便局に寄って、それから 、買い物に行こう。
明日は、国語 および 数学の試験があります。
(4) 説明・補足
前の事柄について説明を加えたり、内容を補ったりすることです。「つまり・なぜなら・ただし・もっとも」など。
明日は12月25日、つまり 、クリスマスだ。
ひざにすり傷ができた。なぜなら 、転んだからだ。
本を借りることができる。ただし 、一人につき3冊までだ。
(5) 対比・選択
前後の事柄を比べたり、どちらか一方を選んだりすることです。「それとも・あるいは・または・もしくは」など。
おにぎりが好きですか。それとも 、パンが好きですか。
電話 または メールで連絡してください。
(6) 転換
前の事柄から話題を変えて、あとの事柄を続けることです。「さて・ところで・では」など。
連絡してくれてありがとう。ところで 、いまどこにいますか。
ここは読み終わった。では 、次に進もう。
*
それぞれの種類の接続詞の例をいくつかまとめて示すと、次の表のようになります。
接続詞のそれぞれの種類とおもな語例は、ぜひ覚えておきましょう。
【表】さまざまな接続詞
順接 |
それで そこで だから すると したがって ゆえに よって |
逆接 |
しかし だが ところが けれど・けれども が だけど でも なのに |
累加・並立 |
そして それから なお しかも それに そのうえ また および ならびに |
説明・補足 |
つまり すなわち なぜなら・なぜならば ただし もっとも |
対比・選択 |
それとも あるいは または もしくは |
転換 |
さて ところで では ときに |
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次の各文中の( )に当てはまる接続詞を後から選び、記号で答えなさい。
(1) ごちそうしてもらい、( )、おみやげまでいただいた。
(2) 毎日種に水をやった。( )、種から芽が出てきた。
(3) あれが日本一高い山、( )富士山です。
(4) 黒い虫を退治した。( )、一匹だけではなかった。
ア すると
イ すなわち
ウ ところが
エ それに
【考え方】
丸かっこ( )の前後の内容を手がかりにして、どのような意味の接続詞がそこにうまく当てはまるかを考えます。
(1)の文は、「ごちそうしてもら」ったうえに、さらに付け加えて「おみやげまで」もらったという意味です。
したがって、(1)の( )には、累加を表す接続詞が当てはまります。選択肢のなかでは、「それに」が累加の接続詞です。
(2)の文章は、「種に水をやった」ことが原因となり、その順当な結果として「種から芽が出てきた」という意味に考えることができます。
したがって、(2)の( )には、順接を表す接続詞が当てはまります。選択肢のなかでは、「すると」が順接の接続詞です。
(3)の文では、「日本一高い山」の説明としてそのあとに「富士山」が来ていると考えることができます。
したがって、(3)の( )には、説明を表す接続詞が当てはまります。選択肢のなかでは、「すなわち」が説明の接続詞です。
(4)の文章は、「虫を退治した」のにかかわらず、予想に反して「一匹だけではなかった(虫はもっといた)」という意味に考えることができます。
したがって、(4)の( )には、逆接を表す接続詞が当てはまります。選択肢のなかでは、「ところが」が逆接の接続詞です。
【答】
(1) エ
(2) ア
(3) イ
(4) ウ
*
次の各文中の下線部は接続詞である。それぞれの接続詞の働きとして適当なものを後から選び、記号で答えなさい。
(1) ご自由に飲んでください。なお、飲みすぎに注意しましょう。
(2) スイッチを押してみた。けれど、点灯しなかった。
(3) めずらしい雲を見つけた。そこで、それを写真に撮った。
(4) やっとお店に着いた。さて、何を食べようか。
ア 順接
イ 逆接
ウ 累加(添加)
エ 転換
【考え方】
一つひとつの接続詞の意味・種類を覚えましょう。
また、接続詞をはさんだ文章の前後の関係から、その接続詞の意味(働き)を確認してみるとよいでしょう。
(1) 「なお」は、累加(添加)の接続詞です。
「飲みすぎに注意しましょう」は、「ご自由に飲んでください」のあとに注意事項として付け加えられています。
(2) 「けれど」は、逆接の接続詞です。
なんらかの機器の「スイッチを押」すと、点灯するなどの動作があることが予想されます。しかし、「点灯しなかった」という予想に反する(順当でない)結果になっています。
(3) 「そこで」は、順接の接続詞です。
「めずらしい雲を見つけた」ことが、「写真に撮った」ことの理由になっています。
(4) 「さて」は、転換の接続詞です。
「さて」の前後で話題を変えています。
【答】
(1) ウ
(2) イ
(3) ア
(4) エ