■ 接続助詞の種類
接続助詞の主なものとして、次のような語がある。
ば と て(で) ので から ても(でも) ところで が けれど(けれども) のに ながら つつ ものの し たり(だり)
それぞれの語の用法については、解説中の表を参照。
[スポンサードリンク]
接続助詞とはなにか、どのような働きをするかについて、「接続助詞の働き」のページで解説しました。
接続助詞とされる単語には、主に次のような語があります。
ば と て(で) ので から ても(でも) ところで が けれど(けれども) のに ながら つつ ものの し たり(だり)
これら一つひとつの接続助詞の用法を簡単にまとめると、次の表のようになります。
なお、用法については、主なものをあげていますが、すべてではありません。ここには取り上げていない用法もあります。
【表】接続助詞の種類
ば | 仮定の順接 | 練習すれ ば 、うまくなる。 |
確定の順接 (一般条件) |
春になれ ば 、桜が咲く。 | |
並立の関係 | 山もあれ ば 、谷もある。 |
と | 仮定の順接 | 急がない と 、遅刻する。 |
確定の順接 (一般条件) |
氷を解かす と 、水になる。 | |
仮定の逆接 | なんと言われよう と 、平気だ。 |
て(で) | 確定の順接 | 寒く て 風邪をひく。 |
確定の逆接 | 見 て 見ぬふりをする。 | |
並立の関係 | 雪は、白く て やわらかい。 | |
補助の関係 | 全部食べ て しまう。 |
※ ガ行・ナ行・バ行・マ行五段活用の音便形につくときは、濁って「で」になる。
ので | 確定の順接 | 寒い ので 、コートを着た。 |
から | 確定の順接 | わからない から 、質問する。 |
ても(でも) | 仮定の逆接 | つらく ても 、我慢しよう。 |
確定の逆接 | 何度読ん でも 、わからない。 |
※ ガ行・ナ行・バ行・マ行五段活用の音便形につくときは、濁って「でも」になる。
ところで | 仮定の逆接 | 泣いた ところで 、しかたがない。 |
が | 確定の逆接 | 努力した が 、失敗に終わった。 |
単純な接続 | 食べてみた が 、おいしかった。 | |
並立の関係 | 見た目もよい が 、味もよい。 |
けれど(けれども) | 確定の逆接 | 眠い けれど(けれども)、勉強する。 |
並立の関係 | 国語もできる けれど(けれども)、英語もできる。 |
のに | 確定の逆接 | 練習した のに 、試合で負けた。 |
ながら | 確定の逆接 | 若い ながら 、しっかりしている。 |
連用修飾語 | テレビを見 ながら 食事する。 |
つつ | 確定の逆接 | 太ると知り つつ 、食べてしまう。 |
連用修飾語 | 体調が回復しつつ ある。 |
ものの | 確定の逆接 | 試してはみた ものの 、成功しなかった。 |
し | 並立の関係 | 酒を飲まない し 、タバコも吸わない。 |
たり(だり) | 並立の関係 | 行っ たり 来 たり する。 |
連用修飾語 | 本を読ん だり する。 |
※ ガ行・ナ行・バ行・マ行五段活用の音便形につくときは、濁って「だり」になる。
[スポンサードリンク]
次の各文中の下線部(接続助詞「と」)の働きをあとのアからエの中から選んで、記号で答えなさい。
(1) 窓を開けると、風が入ってきた。
(2) 水素を燃やすと、水ができる。
(3) 気をつけないと、けがをするよ。
(4) 何をしようとかまわない。
ア 仮定の順接
イ 仮定の逆接
ウ 確定の順接
エ 単純な接続
【考え方】
接続助詞「と」の働きを見分ける問題です。
「と」をはさんだ前後の意味のつながりから「と」の働きを考えましょう。
なお、接続助詞の「と」には、本文の表にしめした用法のほかに、「単純な接続」という用法もあります。
(接続の関係の意味やその見分け方については、「接続助詞の働き」のページを参照してください。)
(1) 「窓を開ける」と「風が入ってきた」とは、接続助詞「と」によってつながっていて接続の関係になっています。
しかし、順接や逆接といった関係を表すものではありません。つまり、単純な接続です。
(2) 「水素を燃やす」とつねに「水ができる」という結果になります。したがって、(2)の「と」は確定の順接(一般条件)です。
(3) 「気をつけない」は仮定の事柄で、「けがをする」はその順当な結果です。つまり、(3)の「と」は仮定の順接です。
(4) 「何をしよう」は仮定の事柄で、「かまわない」はその順当でない結果です。つまり、(4)の「と」は仮定の逆接です。
【答】
(1) エ
(2) ウ
(3) ア
(4) イ
*
次の各文中の下線部(接続助詞「て(で)」)の働きをあとのアからエの中から選んで、記号で答えなさい。
(1) お腹がすいて一歩も動けない。
(2) 注意されてやめない。
(3) 借りた本をまだ読んでいない。
(4) 家に帰って宿題をして寝る。
ア 確定の順接
イ 確定の逆接
ウ 単純な接続
エ 補助の関係
【考え方】
接続助詞「て(で)」の働きを見分ける問題です。
「て(で)」をはさんだ前後の意味のつながりから「て(で)」の働きを考えましょう。
(1) 「お腹がす(く)」は確定した事柄で、「一歩も歩けない」はその順当な結果です。つまり、(1)の「て」は確定の順接を表しています。
(2) 「注意され(る)」は確定した事柄で、「やめない」はその順当でない結果です。つまり、(2)の「て」は確定の逆接を表しています。
(3) 「読んで」とその直後の「いない」(「いる」に打ち消しの「ない」が付いた文節)とは、補助の関係にあります。
(補助の関係についてくわしくは、「文節どうしの関係」のページを参照してください。)
(4) 「家に帰(る)」と「宿題を(する)」と「寝る」とは、接続助詞「て」によってつながっています。
しかし、順接や逆接といった関係を表しているのではなく、つまり、単純な接続を表すものです。
【答】
(1) ア
(2) イ
(3) エ
(4) ウ
**
次の各文の下線部と働きが同じものをそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。
(1) 探したけれども、見つからなかった。
ア 説明したところで、信じないだろう。
イ 突然ですが、先生に質問があります。
ウ 薬を飲んでも、治らなかった。
(2) 食事しながらゆっくり話そう。
ア 呼んだのに、返事をしない。
イ 食事もするし、会話もする。
ウ 音楽を聴きつつ勉強する。
【考え方】
同じ働きの接続助詞を見つける問題です。
(1) 「探した」は確定した事柄で、「見つからなかった」はその順当でない結果です。つまり、(1)の「けれども」は確定の逆接を表しています。
ア 「説明した」は仮定の事柄で、「信じないだろう」はその順当でない結果です。
イ 「突然です」と「先生に…」とは、「が」でつながっていますが、順接や逆接の関係はありません。
ウ 「薬を飲(む)」は確定した事柄で、「治らなかった」はその順当でない結果です。
以上から、アの「ところで」は仮定の逆接、イの「が」は単純な接続、ウの「でも」は確定の逆接を表しています。
(2) 「食事しながら」は、「話そう」にかかって同時に行うという意味を表しています。つまり、(2)の「ながら」は連用修飾語をつくる働きをしています。
ア 「呼んだ」は仮定の事柄で、「返事をしない」はその順当でない結果です。
イ 「食事もする」と「会話もする」とは、対等にならんでいます。
ウ 「聴きつつ」は、「勉強する」にかかって同時に行うという意味を表しています。
以上から、アの「のに」は確定の逆接、イの「し」は並立の関係、ウの「つつ」は連用修飾語を表しています。
【答】
(1) ウ
(2) ウ