■ 続く文節と切れる文節
文は、続く文節と切れる文節からなる。
① 続く文節……文の最初や途中にあって、文があとの文節に続く。
② 切れる文節……文の最後にきて、文がそこで終わる。
(例) 白い 花が 庭に 咲く。
■ 係る文節と受ける文節
係る・受ける……文節どうしが結びつくこと。前の文節が係る文節、あとの文節が受ける文節。
(例) 花が 咲く
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これから文の組み立てについて学んでいきます。
はじめに、文節の種類について知っておきましょう。
(文節とはなにかについては、「言葉の単位」のページを参照してください。)
文はふつう、いくつかの文節がつらなってできています。
たとえば、「白い花が庭に咲く。」という文は、「白い」「花が」「庭に」「咲く」という四つの文節からできています。
これらの文節のうち、「白い」「花が」「庭に」の三つは、それぞれ文の最初や途中にあって、文があとの文節に続いています。
それに対して、「咲く」という文節は、文の最後にきて文がそこで終わっています。
「白い」「花が」「庭に」のように、文の最初や途中にあって、文があとの文節に続く文節を続く文節といいます。
「咲く」のように、文の最後にきて文がそこで終わる文節を切れる文節といいます。
【図】続く文節と切れる文節
上の図のように、一つの文はふつう、いくつかの続く文節と一つの切れる文節とで成り立っています。
切れる文節の多くは、言い切る形(終止形)や命令する形(命令形)になります。
たとえば、「行くぞ。」という文のように、切れる文節だけからなる文もあります。
文をつくっている文節どうしの間には、意味の結びつきがあります。
ふたたび「白い花が庭に咲く。」という例文を用いて、このことを考えてみましょう。
まず、「花が」と「咲く」が「なにが―どうする」という関係で結びついています。
そして、「白い」が「花(が)」の性質(どんな)を説明し、「庭に」が「咲く」の場所(どこに)を説明しています。
つまり、「白い」と「花が」も、「庭に」と「咲く」も、それぞれ説明する文節とされる文節という関係で結びついています。
「白い」「花が」「庭に」「咲く」という4文節の意味の結びつきをまとめると、次の図のようになります。
【図】係る文節と受ける文節
このように、文節どうしが意味のうえで結びついていることを、前の文節から見て「係る」といい、あとの文節から見て「受ける」といいます。(両方あわせて、文節の係り受けということもあります。)
たとえば、「花が」と「咲く」の二つの文節の結びつきは、「花が」が「咲く」に係る、または、「咲く」が「花が」を受けるというように言い表します。
このとき、前の文節を「係る文節」、あとの文節を「受ける文節」といいます。
*
同じ文節が、係る文節になると同時に、受ける文節にもなることがあります。
先の例で、「花が」は、「咲く」に対しては係る文節ですが、「白い」に対しては受ける文節になっています。
また、受ける文節に係ってくる文節は一つだけとはかぎらず、二つ以上の文節を受けることもあります。
先の例で、「咲く」は、「花が」と「庭に」の二つの文節を受けています。
文節どうしは、さまざまな関係で結びつきます。
たとえば、上の例文の「花が」と「咲く」は、主語と述語の関係で結びついています。
また、「白い」と「花が」、「庭に」と「咲く」は、どちらの結びつきも修飾語と被修飾語の関係です。
文節どうしの関係については、「文節どうしの関係」のページでくわしく解説します。
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次の文から、(1)から(3)までのそれぞれの説明に当てはまる文節を一つずつ抜き出して答えなさい。
「太郎がおいしい野菜を食べた。」
(1) この文節は、切れる文節である。
(2) この文節は、続く文節であって、「野菜を」に係っている。
(3) この文節は、係る文節であると同時に受ける文節でもある。
【考え方】
まず、文全体を文節に区切ります。
太郎が | おいしい | 野菜を | 食べた。
(1) 文の最後にある「食べた」が切れる文節です。
(2) 続く文節は、「太郎が」「おいしい」「野菜を」の三つ。
このうち、「おいしい」と「野菜を」とは意味がつながっています。つまり、「おいしい」が「野菜を」に係っています。
(3) すべての文節の係り受けをしらべます。
「太郎が」は「食べた」に係り、「おいしい」は「野菜を」に係り、「野菜を」は「食べた」に係ります。
「野菜を」は、「食べた」に係ると同時に「おいしい」を受けています。
【答】
(1) 食べた
(2) おいしい
(3) 野菜を
*
次の各文中の下線部に係る文節をすべて抜き出して答えなさい。
(1) 雨が屋根に激しく打ちつける。
(2) 私たちがここに到着したのは、昨夜の晩でした。
【考え方】
ある文節と係り受けの関係にある文節をさがすときには、二つの文節をつなげてみて言い方が自然になるかどうかが一つの目安になります。
なお、一つの文節に係る文節は一つだけとはかぎりません。
(1)の文を文節に区切ります。
雨が | 屋根に | 激しく | 打ちつける。
どの文節が「打ちつける」とつなげて自然な言い方になるかを考えます。
「雨が」「屋根に」「激しく」の三つの文節のうちどれとつなげても不自然にはなりません。
つまり、三つとも「打ちつける」に係る文節です。
(2)の文を文節に区切ります。
私たちが | ここに | 到着したのは、| 昨夜の | 晩でした。
「晩でした」とつなげて自然な言い方になる文節をさがします。
「到着したのは」と「昨夜の」の二つの文節がつなげても不自然になりません。つまり、「晩でした」と係り受けの関係にある文節です。
「私たちが」と「ここに」は、「到着したのは」には係りますが、「晩でした」には係りません。
【答】
(1) 雨が、屋根に、激しく
(2) 到着したのは、昨夜の