■ 複合語
複合語……二つ以上の単語が結びついて一つの単語となったもの。
① 複合名詞
(例) 春+風→春風
② 複合動詞
(例) 旅+立つ→旅立つ
③ 複合形容詞
(例) 心+細い→心細い
■ 派生語
派生語……もとの単語に接頭語や接尾語が付いてできた単語。
・接頭語……単語の前に付いて意味をそえる言葉。
(例) お米 とり調べる か弱い
・接尾語……単語の後ろに付いて意味をそえたりする言葉。
(例) ぼくたち 春めく 子供らしい
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二つ以上の単語が結びついて一つの単語となったものを複合語といいます。
複合語は、その品詞によって、複合名詞・複合動詞・複合形容詞などに分類することができます。
(1) 複合名詞
複合名詞は、二つ以上の単語が結びついて一つの名詞となったものです。
春+風 → 春風 (名詞+名詞)
借りる+物 → 借り物 (動詞+名詞)
浅い+瀬 → 浅瀬 (形容詞+名詞)
物+語る → 物語 (名詞+動詞)
遠い+浅い → 遠浅 (形容詞+形容詞)
(2) 複合動詞
複合動詞は、ある単語の後に動詞が結びついたものです。
旅+立つ → 旅立つ (名詞+動詞)
見る+送る → 見送る (動詞+動詞)
近い+寄る → 近寄る (形容詞+動詞)
とくに動詞の「する」と結びついた複合語は、サ行変格活用の動詞になります。➡動詞(7)カ行変格活用・サ行変格活用
努力+する → 努力する (サ変動詞)
(3) 複合形容詞
複合形容詞は、ある単語の後に形容詞が結びついたものです。
心+細い → 心細い (名詞+形容詞)
粘る+強い → 粘り強い (動詞+形容詞)
細い+長い → 細長い (形容詞+形容詞)
もとの単語に接頭語や接尾語が付いてできた単語を派生語といいます。派生語は、それで一つの単語です。
接頭語とは単語の前に付いて意味をそえる言葉をいい、接尾語とは単語の後ろに付いて意味をそえたりする言葉をいいます。
単語どうしが結びついて別の単語になったものが複合語であるのに対し、単語に単語でない言葉(接頭語・接尾語)が付いてできた単語が派生語です。
接頭語と接尾語を合わせて接辞といいます。
接辞は、それ自体は単語として用いられることがなく、つねに他の語に付いて意味をそえたりある品詞をつくったりする働きをします。
派生語をつくる接頭語・接尾語には、次のようにさまざまなものがあります。
(1) 派生語の名詞
① 接頭語が付いたもの
お(御)米 ご(御)飯 み(御)仏
み(深)雪 ま(真)心 す(素)顔
② 接尾語が付いたもの
ぼくたち(達) われら(等) 男ども(共)
田中さま(様) 野村くん(君) 純子さん ユキちゃん
二人め(目) 血だらけ 泥まみれ
下の例は、形容詞・形容動詞の語幹に接尾語が付いて名詞になったものです。
長さ 深み かわいげ (形容詞の派生語)
静かさ 厳格さ (形容動詞の派生語)
(2) 派生語の動詞
① 接頭語が付いたもの
とり(取り)調べる さし(差し)出す
うち(打ち)明ける ひき(引き)締める
かき分ける さ迷う たなびく
② 接尾語が付いたもの
芝居がかる 上品ぶる 黄ばむ 春めく
華やぐ うれしがる 早める 高まる
(3) 派生語の形容詞
① 接頭語が付いたもの
おめでたい うら悲しい か弱い
こ(小)高い す(素)速い ず(図)太い
そら(空)はずかしい たやすい て(手)堅い
なま(生)暖かい ま(真)新しい もの(物)すごい
② 接尾語が付いたもの
【名詞+接尾語】
子どもらしい 子供っぽい 丸っこい 涙ぐましい
自慢たらしい 未練がましい 情けない
【動詞+接尾語】
忘れがたい(難い) 読みやすい 歩きにくい
喜ばしい 食べづらい 怒りっぽい 晴れがましい
飽きたらない
【形容詞語幹+接尾語】
眠たい 荒っぽい せわしない
古めかしい かわいらしい 憎たらしい
(4) 派生語の形容動詞
お元気だ ご立派だ こ(小)ぎれいだ
お気の毒さま(様)だ ご苦労さま(様)だ
文化的だ
形容動詞の接尾語(「さま(様)」「的」)の後ろには、「だ」が付きます。
接尾語は、他の語と合わさって一つの単語をつくる言葉です。
この点で、それ自体が一つの単語である付属語(助動詞・助詞)と違います。
・どうやら 最終回らしい。(助動詞)
・最終回らしい 終わり方だ。(接尾語)
上の例のように、接尾語のなかには助動詞とまぎらわしいものがあるので、注意しましょう(「ない」「たい」「らしい」)。➡「らしい」の識別
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次の複合語を構成するもとの単語の品詞の組み合わせを後から選び、記号で答えなさい。
(1) 近付く
(2) 三日月
(3) 目新しい
(4) 思い出す
ア 名詞+名詞
イ 名詞+形容詞
ウ 動詞+動詞
エ 形容詞+動詞
【アドバイス】
各々の複合語がどのような単語の結びつきから成り立っているかを考えましょう。
近付く = 近い + 付く
三日月 = 三日 + 月
目新しい = 目 + 新しい
思い出す = 思う + 出す
複合動詞は後ろの語が動詞になり、複合形容詞は後ろの語が形容詞になります。
なお、後ろの語が動詞または形容詞であっても、複合名詞になる場合があることに注意してください(「夕暮れ」「手近」など)。
(1) エ
(2) ア
(3) イ
(4) ウ
*
次の各語群の( )内に共通して当てはまる言葉をそれぞれ答えなさい。
(1) ( )めでたい ( )元気だ ( )住まい
(2) 寒( ) 長( ) 静か( )
(3) もっとも( ) 子ども( ) 春( )
(4) 具体( )だ 積極( )だ 神秘( )だ
【アドバイス】
各語群に当てはまる接頭語や接尾語を考える問題です。
(1) 「お(御)」は、尊敬や丁寧の意を表す接頭語です。
(2) 「さ」は、形容詞や形容動詞(の語幹)に付いて名詞をつくる接尾語です。
(3) 「らしい」は、名詞や副詞などに付いて形容詞をつくる接尾語です。「~と感じられる」「~にふさわしい」という意味を表します。
(4) 「的」は、名詞に付いて形容動詞(の語幹)をつくる接尾語です。
(1) お(御)
(2) さ
(3) らしい
(4) 的