■ 感動詞の性質
感動詞……感動・呼びかけ・応答などを表す単語。
活用がない自立語で、単独で独立語になる。
(例) ああ、夕焼けがきれいだ
■ 感動詞の種類
感動詞には、次のような種類がある。
① 感動……喜び・悲しみ・驚き・疑いなどを表す。「ああ・あれ・おや」など。
(例) おや、穴があいている。
② 呼びかけ……呼びかけ・誘いかけを表す。「ねえ・さあ・もしもし」など。
(例) さあ、始めよう。
③ 応答……受け答え・返事を表す。「はい・いいえ・うん」など。
(例) うん、わかった。
④ あいさつ……あいさつを表す。「おはよう(ございます)・こんにちは・さようなら」など。
(例) こんにちは、よい天気ですね。
⑤ かけ声……かけ声を表す。「それ・よいしょ」など。
(例) 持ち上げるぞ、よいしょ。
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次の例文を見てください。
ああ 、夕焼けがきれいだ。
もしもし 、山田さんですか。
はい 、私です。
最初の例文の「ああ」は、きれいな景色(夕焼け)を見て感動している気持ちを表しています。
次の例文の「もしもし」は、電話の相手に呼びかけるときの言葉です。
最後の例文の「はい」は、誰かからの呼びかけや質問に答える(応答する)ときの言葉です。
このように、感動・呼びかけ・応答などを表す単語を感動詞といいます。
上の例文のように、感動詞は文のはじめに来ることが多い単語です。もっとも、つねに文のはじめに来るとはかぎりません。
感動詞は、「こんにちは。」「はい。」などのように、それ一語で文をつくることができます。
*
感動詞は、自立語です。つまり、単独で文節をつくることができる単語です。
そして、感動詞は、付属語をともなって文節をつくることはなく、つねに単独で独立語になります。
また、感動詞は、活用がない単語です。
つまり、文中での用法(文がそこで切れるか続くか、どんな語がそのあとに続くか)によって単語の形が変化することはありません。
(自立語・付属語については「単語の分類(1)自立語と付属語」のページを、活用については「単語の分類(2)単語の活用」のページを、独立語については「文節の働き(3)接続語・独立語」のページをそれぞれ参照してください。)
感動詞には、次のような種類があります。
(1) 感動
喜び・悲しみ・驚き・疑いなど、いろいろな感情を表します。「ああ・あれ・おや」など。
おや 、大切な洋服に穴があいている。
(2) 呼びかけ
相手に呼びかけたり、誘いかけたりする意味を表します。「ねえ・さあ・もしもし」など。
さあ 、いますぐ始めよう。
(3) 応答
相手に対する受け答え・返事を表します。「はい・いいえ・うん」など。
うん 、わかった。
(4) あいさつ
あいさつを表します。「おはよう(ございます)・こんにちは・さようなら」など。
こんにちは 、よい天気ですね。
(5) かけ声
かけ声や気勢を表します。「それ・よいしょ」など。
持ち上げるぞ、よいしょ 。
*
それぞれの種類の感動詞の例をいくつかまとめてしめすと、次の表のようになります。
【表】さまざまな感動詞
感動 |
ああ あら あれ おお おや えっ ほう おっ まあ へえ やれやれ |
呼びかけ |
あの ねえ おい こら さあ これ もしもし やあ ちょっと よう |
応答 |
はい いいえ いや うん ええ ああ なに そう |
あいさつ |
おはよう(ございます) こんにちは こんばんは さようなら はじめまして おやすみ(なさい) |
かけ声 |
それ どっこいしょ えい よいしょ わっしょい |
感動詞が表す意味は、一つだけとはかぎりません。
たとえば上の表の「ああ」(太字)のように、同じ形の感動詞がいろいろな意味に用いられることがあります。
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次の各文中から感動詞を抜き出して答えなさい。
(1) あれ、この道はさっきも通ったぞ。
(2) それ、行け。
(3) ちょっと、だれか消しゴムを貸して。
(4) 佐々木さん、おはよう。
【考え方】
感動詞は、文のはじめに来ることが多いですが、途中や終わりに来ることもあります。
なお感動詞には、他の品詞の語と形が同じものもあるので注意しましょう。
(1) 文のはじめにある「あれ」が感動詞で、軽い驚きを表しています。指示代名詞の「あれ」と形が同じです。
(2) 文のはじめにある「それ」が感動詞で、かけ声を表しています。
(3) 文のはじめにある「ちょっと」が感動詞で、呼びかけを表しています。副詞の「ちょっと」と形が同じです。
(4) 文の終わりにある「おはよう」が感動詞で、あいさつを表しています。なお、「佐々木さん」は名詞からなる独立語です。
【答】
(1) あれ
(2) それ
(3) ちょっと
(4) おはよう
*
次の各文中の下線部は感動詞である。それぞれの感動詞の種類を後から選び、記号で答えなさい。
(1) こんにちは、今日も暑いですね。
(2) おや、あそこに誰かいるぞ。
(3) はい、私もいっしょに行きます。
(4) さあ、いっしょにやってみよう。
ア 感動
イ 呼びかけ
ウ 応答
エ あいさつ
【考え方】
感動詞のそれぞれの種類の意味(働き)を押さえておきましょう
また、それぞれの種類のおもな例については、解説中の表「さまざまな感動詞」を参考にしてください。
(1)の「こんにちは」は、あいさつを表しています。
(2)の「おや」は、驚き(感動)を表しています。
(3)の「はい」は、誰かからの質問などに対する受け答え(応答)を表しています。
(4)の「さあ」は、相手への誘いかけ(呼びかけ)を表しています。
【答】
(1) エ
(2) ア
(3) ウ
(4) イ