■ 動詞の活用形
活用形……単語が活用するときの形。
活用形は、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の6種類。
■ 動詞の活用形の用法
動詞の活用形は、文中での用法によって決まる。
① 未然形……「ない」「う・よう」に連なる。
(例) 誰とも話さない。 本を読もう。
② 連用形
……「ます」「た(だ)・て(で)」に連なる。
(例) お風呂に入ります。 彼に会って確かめる。
……中止法に用いる。
(例) 雨が降り、雷が鳴る。
③ 終止形……そこで文が終わる(言い切る)。
(例) すやすやと眠る。
④ 連体形……体言(とき・こと)に連なる。
(例) ドアを開けるときは、ノックしましょう。
⑤ 仮定形……「ば」に連なる。
(例) 明日になれば、雨が止むだろう。
⑥ 命令形……命令して文を言い切る。
(例) 早く来い。
[スポンサードリンク]
動詞などの活用がある単語は、文中での用いられ方(切れるか続くか、どのような語が続くか)によって形がさまざまに変化します。
単語が活用する(形が変わる)ときの一つひとつの形を活用形といいます。
たとえば、動詞「行く」の活用形は次のようになります。
行か(ナイ)……未然形
行こ(ウ) ……未然形
行き(マス)……連用形
行っ(タ) ……連用形
行く(。) ……終止形
行く(トキ)……連体形
行け(バ) ……仮定形
行け(。) ……命令形
上の例を見てわかるように、一つひとつの活用形には名前が付いています。
活用形には、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の6種類があります。
六つの活用形の名前をこの順番でしっかりと覚えましょう。
「活用形」と「活用の種類」をしっかりと区別しよう。
「活用形」は、単語が活用するときの一つひとつの形のこと。
「活用の種類」は、単語の活用のしかたをタイプ別に分類したもの。➡動詞(2)活用とその種類
*
6種類ある活用形をまとめて表にしたものを活用表といいます。
例として「行く」の活用表を示しておきます。
【表】活用表の例
★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
用法 |
ナイ ウ |
マス タ |
言い切る | トキ | バ |
命令して 言い切る |
|
行 く | い(行) |
―か ―こ |
―き ―っ |
―く | ―く | ―け | ―け |
※ 「―か」とあるのは、未然形の活用語尾が「か」であることを表しています。ほかも同じです。
ある動詞が文中でどの活用形になるかは、文中での用いられ方(用法)によって決まります。
それぞれの活用形の主な用法は、次のとおりです。(なお、活用形の用法は、ここで取り上げるものだけにかぎりません。)
(1) 未然形の用法
もう 誰とも 話さない。(「話す」の未然形)
部屋に こもって 本を 読もう。(「読む」の未然形)
明日は 学校なので、もう 寝よう。(「寝る」の未然形)
(2) 連用形の用法
毎日、お風呂に 入ります。(「入る」の連用形)
カラスが 飛んで いるのが 見えた。(「見える」の連用形)
彼に 会って 真相を 確かめる。(「会う」の連用形)
また、文がそこでいったん中止したあとでまた続くときにも、連用形が用いられます。
このような連用形の用法を中止法といいます。
中止法の場合、連用形の直後に読点(、)が付きます。
雨が 降り、雷が 鳴る。(「降る」の連用形)
中止法の用法は、動詞にかぎらず、形容詞や形容動詞の連用形にもあります。
(3) 終止形の用法
動詞の終止形は、そこで文がふつうに終わる(言い切る)ときに用います。
赤ちゃんが すやすやと 眠る。(「眠る」の終止形)
終止形は、言い切りの形ともいい、単語の基本となる形(基本形)です。
動詞の終止形には、助動詞や助詞に連なる用法もあります。
・雨が 降るそうだ。(「降る」の終止形)
・お酒を 飲むと、顔が 赤く なる。(「飲む」の終止形)
(4) 連体形の用法
動詞の連体形は、「とき」「こと」のような体言(名詞)に連なります。
ドアを 開ける ときは、ノックしましょう。(「開ける」の連体形)
教える ことは、学ぶ ことでも ある。(「教える」「学ぶ」の連体形)
連体形には、助動詞や助詞に連なる用法もあります。
・どうやら 試合が 始まるようだ。(「始まる」の連体形)
・タバコを 吸うのは、健康に 悪い。(「吸う」の連体形)
(5) 仮定形の用法
動詞の仮定形は、「ば」に連なります。➡主な接続助詞の用法
明日に なれば、雨が 止むだろう。(「なる」の仮定形)
(6) 命令形の用法
動詞の命令形は、命令して文を言い切るときに用います。
春よ、早く 来い。(「来る」の命令形)
動詞の活用形は、それに続く語や符号によって見分けよう。
・未然形……「ナイ・ウ・ヨウ」が付く。
・連用形……「マス・タ・テ」、または、テン(、)が付く。
・終止形……マル(。)が付く。
・連体形……体言(トキ・コト)が付く。
・仮定形……「バ」が付く。
・命令形……マル(。)が付く。
[スポンサードリンク]
次の各文中の下線を引いた動詞の活用形を答えなさい。
(1) ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。
(2) 街中を歩いて行くと、ビルの角に行列ができているのが見えた。
(3) あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。
(4) よく学び、よく遊べ。
【アドバイス】
動詞の活用形を見分けるには、それに付く語や符号(句読点)に注目します。
本文の解説を見て、それぞれの活用形の主な用法を押さえておきましょう。
(2)の「行く」の直後の「と」は活用語の終止形に付く助詞なので、その直前の「行く」は終止形です。➡主な接続助詞の用法
終止形は、かならずしも文末に来るとはかぎらず、助動詞や助詞があとに続く場合もあることに注意してください。
また、(3)の「光る」は体言(「火」)に連なっているので、連体形です。
動詞は(形容詞も)終止形と連体形が同じ形なので、その直後を見てどちらであるかを判断します。
(1) あげ―未然形/やめ―連用形
(2) 歩い―連用形/行く―終止形/見え―連用形
(3) 光る―連体形/燃やせ―仮定形
(4) 学び―連用形/遊べ―命令形